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July 5, 2005 アーカイブ

July 5, 2005

誰にも知られずに納屋を焼くことについて

 まず、第一にそんなことをしたら、放火魔になるわけだ。だからあたしはしない。伊坂幸太郎の重力ピエロを読んでいて、放火について考えた。二番目に、火に対してあまり興味をそそられないので、放火をしたい?しよう?と思う気持ちが理解できない。だからあたしはしない。
 ハルキの短編に「納屋を焼く」というのがある。主人公の女友達がアフリカに行って、現地で彼氏になった男性と一緒に日本に帰国するんだけど、女友達と彼氏が主人公の家に遊びに来たときに、その彼氏なる人物が「時々納屋を焼くんです」と葉っぱを吸いながら言うわけ。そもそもその話が載っている短編集が好きなので、必然的によく読んだんだけど、ちょっと不可思議で面白い話。
 題名からして面白い。この題名を見た瞬間、ああ、ハルキはフォークナーが好きなのか、と思った。スコティーフィッツジェラルド、フォークナーはあたしも好きで、それが理由でハルキがますます気に入ったぐらいである。で、納屋を焼く、は有名なフォークナーの作品。
 話を戻す。アフリカからきたその彼氏は、時々納屋を焼くわけだ。誰にも必要とされていない、焼かれるべき納屋を、誰にも知られずに。ぱちん。だけど、「誰にも必要とされていない」納屋がどうして「誰にも必要とされていない」とわかるのか、とか「焼かれるべき」なのは何のために「焼かれるべき」なのか、とかそういうのを考え始めるとぐるぐる思考が回る。
 で、主人公はその次のターゲットの納屋近所で見つけたと彼氏が言った言葉をうけて、どれだろうとジョギングしながら探して回るうちに「これは誰にも必要とされていないな」とか「これは燃やしちゃってもいいな」とかそういう風な目で納屋を見始める。数ヵ月後に彼氏に会うと、納屋はもう燃やしたといわれる。それと時を同じくして、主人公の女友達もぷつりといなくなってしまう。
 いまだに納屋は何のことだったんだろうと時々考える。現実問題として、誰にも知られずに納屋を焼くことなんか無理だよ、と思ったりするんだけど。ちなみに、短編集の中の蛍という作品が好き。

シャーデー

 Sade Aduはフェバリットシンガーの一人。昔はシャーデーといえば10人聞いたら8人はあーあの人ね、とわかるほどだったのに、今はほとんど知られてないみたい。中学だか高校のときに彼女の歌を歌ってみたくて口ずさんでみたけど難しかったなぁ。だけど、今ではときどーきカバーして歌ったりする。不思議だ。シャーデーはあの声じゃないとね、って気もするけど・・・。
 キャロンドゥルの美紀子さんいわく、彼女の声もさることながら、バックのサウンドがおしゃれだということが味噌らしい。確かにバンドでやるととってもとっても難しいし、なんともストイックなんだよね、音使いが。半年前ぐらいにシャーデーバンドを辞めてしまったけれど、いつかまた歌いたいなぁシャーデー。

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