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March 4, 2007 アーカイブ

March 4, 2007

桃の節句

 今日は女の子の日じゃないか。あ,もう日付が変わってら。ちぇ。
 誕生日にいただいた鉢植えのチューリップが昨日一輪咲きそうだと思っていたら,目が覚めたらみんな緑色のつぼみだったのが赤になっていた。自然てすごいね。しばらく見とれていました。
 しばらくコンガをボーっと叩いていたら,昼過ぎになり,ふと見たら朝は開きかけだったハイビスカスが2輪も開ききっていた。うわー,すごい!家のハイビスカスはオレンジ色なので,濃い茶色の床と対照的に非常に華やかである。
 すごいな。春が一気に来たみたいだ。ちょっと嬉しくなった。いや,かなり,か。花粉症の薬を飲んでボケたくなかったので,薬を飲まずにマスクをして出かけた。駅のホームでおばあさんが具合が悪くなっていて救急車を呼んでいた。10人ぐらいの人があれこれやっていたので,手伝わずにそのまま職場へ。相変わらず神楽坂は人通りが多い。カフェも・・・お客さんが沢山。スタッフは若干疲れ気味。「大入りだそうか,何がいい?」と働いていたスタッフに聞くと,即答で「愛以外で」だと。だから,「じゃぁ,熱い抱擁で」と言ったら「そっち系ですか・・・いやー賄いでいいです」と遠慮された。ちぇ。
 北インド古典音楽のライブだったのだが,超満員。暖かかったのでテラスにも人が満員。ふと見ると音楽を聴きながらテラスの人たちは空を見上げたまま瞑想しているみたい。後で聞いたら満月がきれいだったからみんなで見ていた,そうで・・・。テラスにじかに腰を下ろして胡坐かいてコーヒー飲みながらライブを聞いていた人もいて,すごく自然だなぁとちょっとうらやましかった。
 花盛りの桃の節句にインド音楽,見上げれば満月。明日はもっと暖かいんだって。なんだか,わくわくしますなぁ。
 

風が渡り,そして再生が訪れる。

 シタールのウエタさんだったか,サロードの関口さんだったか忘れました。昨日出会ったアーティストのどちらがか「明日はもっと暖かいんだって」と言ったとおり,今日は暖かい。春というよりも,初夏の風の香りがする。
 朝早くからおきて,洗濯をしたり掃除をしたり。開け放った窓から花粉は容赦なく入ってきて,鼻水とくしゃみの連発。それでも部屋中の窓という窓を開けた。よどんだ気配を消し去りたかった。私は,今,再生しているのを感じる。昨日目にして感激したハイビスカスもチューリップも,今朝はもっと新しい見え方をする。コーヒーを淹れる。豆を挽いている時から幸せの香りがする。パンを焼き始める。
 ベランダでしばらく土いじりをしていた。四葉のクローバーを鉢に植え替えた。みんな植物がいっせいに伸びをしている。へんな時期に挿し木をしてしまったアイビーも一度は枯れたと思っていたけれどぐんぐんと緑が増してきている。ミニバラも冬の葉の間からいくつもつぼみをつけている。アスパラガスはありえないぐらいに生長し,新しい枝は1メートル近く伸びて行き先を求めてさまよっている。同じ鉢にはどこからか飛来したなぞの植物が育ち,黄色の可愛らしい花をつけている。やっぱり枯れてもう駄目だと思っていたルッコラも白い十字の花をつけ,倒れんばかりに茂り始めた。昨日までは縮こまっていたローズマリーも新しい芽がいっせいに伸びた。バジルは季節はずれの花を沢山つけて,ランナーから土に植え替えたイチゴの苗はいくつか根付いた。イタリアンパセリは新しい芽がミントを蹴散らすように増殖し,その影でミントはけなげに新しいライナーを伸ばし始めている。小さかったテーブル椰子も気がつけば30センチぐらいに成長している。
 洗濯が終わるころに,パンが焼きあがった。幸せの香りがする。しばらく蒸気を飛ばしてから,コーヒーと一緒に食べた。久しぶりにパンを焼いた。今まではパンを焼く行為というのは自分の中のあれこれの雑念や煩悩を解消するためだったような気がする。もう,煩悩パンじゃなくなってきている。純粋にパンを焼いて,純粋にその焼きあがった焼き色や形に感激する。
 私の中では,風がキーになっている。温かみを帯びた風が渡っていくと,いつも新しい何かがやってくる。小さいころは風を肌に感じながらいつも高台から海を見ていた。風と海はいつも一緒だった。今は海が無いけれど,風の渡る高台にいる。自分が一歩を踏み出して再生しているのを感じたのは今回で2度目である。前回は,十数年前。畳に寝転がって天井を眺めていた。顔の上を風が渡っていった後にじんわりと訪れ,そしてジャズに出遭った。今回は,今朝目が覚めて,窓を開け,風が渡っていくのと同時に,訪れた。今年は,全てのことが,変わっていく気がする。一番明らかに変わったことは,自分が存在することを肯定していることだ。自分が許せなかったことや人に対しても,優しくなれる気がする。喪ったものや人に対しても,悲しみや喪失感や感傷ではない何かが芽生えている。何かが損なわれ喪われるということは,その上に必ず何かが再生する。ギリシャ神話にも日本神話にもそういう構造が描かれている。すごく簡単で単純な仕組みなんだねほんとは。

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