ギターの音色
昨晩はギターの杉山 泰史さんとデュオライブ。ゆったりと始まったステージは2セット。杉山さんはご自分の呼吸で間合いやリズムを取っていらっしゃって,それが実に人っぽい。実際われわれが呼吸しているリズムと同期したりすると耳からだけじゃなくて体全体で彼のギターを楽しむことができる。柔らかい優しいお人柄同様ギターの音色も柔らかく,ギター一本で弾いていただいた曲も,ご一緒させていただいた曲もすんなりと気持ちに入ってきた。「こういう音色は好きだなぁ」としみじみ思いました。
音を捉えるときに,どの楽器のどんな音色とか誰の歌っている声とかそういう形ではあまり考えていなくて「きらきら」だとか「ふんわり」だとか「ゆったり,まったり」といったような主観的な感じ方をする。パワフルとかリリカルとか優しい,柔らかい,そんな捉え方もする。たぶん歌を歌っているときに分析する脳みそよりも直観的に捉える脳みそが活性化しているせいだ。そもそも分析は得意ではないが。
最近気がついたこと。歌を歌っているときに,一人で階段を下って深いところにある大切なものを探しに行く作業をしているときがある。深いところにはガラクタも沢山山のように積み上げられていて,それを一人でひとつどかしてはまた探し,ほこりを払ってはいろんな角度から眺めてみる。その深いところへの扉を開けるのは一緒に演奏するプレイヤーのイントロの音色だったりする。誰かほかの人の演奏を聴いたりCDを聴いたりしているときにそういう作業をしていることがあるのは自覚していたけれど。