女装の
夢を見た。最近にしては珍しく。というか夢を見たことを今思い出した。何で思い出したかというと,ボブデュランがレコーディングの音質について不満を漏らした,という記事を読んだから。でも関連性はなにもないんだけれど。なぜかそれがトリガーになった。
どこかとても暑いところを古めかしい自転車を押しながら友達と二人で歩いていた。小学校時代の友人だった。なんだか,太陽はぎらぎらと照りつけて,ブロック塀と砂埃がやけに気になる昼下がりだった。黒い鉄の自転車は重たく熱く,それになぜか座布団を乗っけて自分たちが乗るでもなく,ただ,押して歩いている。クランクのような曲がり角が続き,ブロック塀にはところどころコケが生えている。風はない。じっとりと汗がにじむ。
と,どこからか中年の女性が現れて,駅にはどう行くのか?と訊ねてくる。友達は郵便局を説明している。女性は全く違う方向に歩いていく。そっちは誰かの家のほうなのに,と垣根の向こうに消えていく女性を見ながら朦朧としながら考えている。また自転車を押しながら歩いていく。
またどこからか背の高いぴっちりとしたボブの女性が現れる。しいて言うなら昔の楠田恵理子さんみたいな髪型というか,パルプフィクションのユマサーマンみたいなボブだ。ものすごい濃い化粧をしている。紫色の濃いアイシャドウが印象的だ。ふーむ,と思って眺めていると,井上陽水さんにどこに行けば会えるか,と訊かれた。私は「そこの角を右に曲がってまっすぐ行った所にさっきまでいた」と答えた。実際そうだった気がしたから。すると彼女はありがとう,よく知っているね,ところで米米クラブを知っている?と聞いてきた。友達は知らないと答えた。まさか。我々が小学生?のころずいぶんフィーバーしていたじゃないか!知らないわけがない。私は女性の顔をまじまじと見た。「まさか,石井さん?」と言ったら,女性は,否,石井竜也さんは「そうだ」と答えて去っていった。女装した本人だったとは・・・。友達に米米クラブの石井さん本人だったんだね,と言ったら,ふぅん,と興味がなさそうな返事が返ってきた。実際知らないんだから興味も何もないか。
世の中はいろんなことが起こるんだなぁと思いながら,自転車を押して歩いていった。私はその後にスタジアムの売店に母に会いに行かなければならない。自転車を友人に任せて,スタジアムに向かう。今日はアメフトの試合があるから忙しいと言っていた気がする。
次の瞬間スタジアムに着く。ずいぶん大きな銀色のドーム型の売店で,半地下のようなところにスタッフが沢山たまっている。ちょうど交代の時間なのだ。母はここで現場責任者をやっているらしい。会いに来たとその辺の人に告げるとずいぶん遠い部屋をたらいまわしにされた。見知った顔がいくつかやってきて,暑いと文句を言っていった。そんなことあたしに言われても知らないよ,と思いながらひとつの部屋を覗き込むとドーナツマシンががちゃがちゃと動いている。へぇこうしてドーナツは作られているのか,と思う。でもまてよ,ここはプールのはずじゃないか,こんなところでドーナツ作ったら湿気ちゃうじゃないか,と思っているうちに目が覚めた。
部屋は暑かった。支離滅裂な夢だった。もしかしたらもっと続きや新たな展開があったのかもしれない。ひょっとすると友人と歩いているシーンの前に井上陽水さんと話している夢を見たのかもしれない。だとしたら思い出したいが・・・。