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September 10, 2006 アーカイブ

September 10, 2006

私の体を通して

 最近すごく感じることがある。私は何らかの意味があって生かされている,存在しているのだということ。何も感じないでただ,家族と楽しく思いやりに満ちて過ごしてきた幼少時代,子供なりの社会のあり方で悩んだ思春期,一人で生きていけるんじゃないかと傲慢になっていた高校時代,自分の価値観が揺らいで自己否定に走ってひたすら刹那的に生きた大学時代,あまり何も考えず働いてばかりいた大学院時代,なんとなくただ目先の楽しさを求めて適当に生活してきたOL・秘書時代。いろんな出会いがあっていろんな別れがあって,膝を抱えて眠れぬ夜をすごしたこともあって,涙することもあって,大笑いすることもあった。
 幼少時代を除けば,どんなときも,私は自分が世界や自然や周りの環境から常に孤立した自分を認識し続けていて,うまく相容れないものを感じてきた。否,正確に言うと相容れることを拒絶してきた。芝生の上に寝転がり,川原の石を拾い集め,果てしなく続く海岸線を黙々と歩き,木に登って降りれなくなったり,そんな自分を思い出してすごく懐かしい感じがする。
 今思うこと。私はこの地球や宇宙やすべての環境の中にぽちりと存在して,なんだか懸命に抗っていたり甘えてみたりしているけれど,実に瑣末でちっぽけで,本当はこの私を取り囲んでいる環境の一部でしかないのだと。私が歌を歌うことは,私の体を通して自然のエネルギーが放出されることなのかもしれない。私が息を吸うことは,体の中にエネルギーを通すことなのかもしれない。そう思ったら,なんだか今まで自分がやってきたことはたいした意味はないと気がついた。じたばたしてたけど,結局はそんなところにたどり着いた。
 ああ,ありがたい。私は今日も,自然エネルギーの媒介として存在しているのだ。

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