愛を。
あなたが好きで
あなたが好きで
あなたが好きで
狂おしいほどに
だからあたしは,歌を
あなたが好きで
あなたが好きで
あなたが好きで
狂おしいほどに
だからあたしは,歌を
あなたの言葉が
固まった心を溶かす
ありがとう
あなたに出会ったことは
あたしの人生の新しいページになる
どれほど言葉を連ねても
あたしの気持ちの核心には程遠くて
ありがとう
いまのあたしに言えること
どんなことがあろうとも
見失ってはいけない大切なことが誰にでもあって
知らずか知ってか
みんなそれを心の奥底で大切にしている
ある人にはそれが人と人とのつながりであったり
またある人には明日食べる糧を得る何かだったりする
ある人には家族であったり
またある人にはリセットする通勤途中のコーヒーだったりする
最近あたしは
上手く説明できないけれど
そういったあたしにとって大切なものを見失っていた気がする
それはすごく簡単な見かけで
でも喪ったら二度と戻らない何かだった
いろんな人がやってきて
いろんなことを囁いていった
見ている振りをして
聞いている振りをして
心の目を閉じて
心の耳を閉じて
次目をあけたとき
何かが損なわれ喪われたのをはっきりと感じた
それでも
Keep on singing
たとえ全てを喪ったとしても
たとえ声が出なくても
ぽっかりと空いた隙間に満ちるのは音
うまく感想が書けるか,心配なのだけれど。。。keikoさんとAkagi Cafeでライブをしてきました。初めての試みで詩の朗読とジャズをあわせてみました。まず,感想を。とても,よかったです。心から,そう思えます。けいこさんとゆきこちゃんと,私が持ち寄った,小さな暖かさを,聴きに来てくださった方々,お店のスタッフの皆様,あの場にいた全ての人々のみならず,離れている人からもエネルギーをいただいて表現した,と言った感じ。でこぼこ,はありますが,今の我々にできる,我々らしいライブだったと思います。もちろん,反省点がなかったわけではありません。でも,次につながる確かな何かを得たと思います。何事もチャレンジだと思いました。
けいこさんと初めてお目にかかったとき,どうしても彼女とライブがやりたくなった。どんな感じにやるとかどんな雰囲気になるとか,そんなこと全く考えなかったし,言葉を大切にしたくて,当日になるまで全くアイディアすら浮かびませんでした。声になった瞬間から言葉の質が変わるような気がしていたので,リハーサルあえてしませんでした。
ただ,彼女とライブをやってみたいと,そんな気持ちだけで敢行してしまったライブでしたが,蓋を開けてみたらお客様は入りきらないくらい一杯で,そしていらっしゃっている皆様が,みんなすごく優しくて素敵な気持ちをもっていらっしゃるのが肌で感じられて,思わず感激して涙が出てしまいました。
けいこさんの詩自体とても素敵でしたが,文字を目で追うのではない発話行為を通しての詩の感じ方というのは,すごく素敵だなと思いました。目を瞑って聴いていたら,彼女の声がじんわりと心に響いてきました。あの場にいた一人ひとりがいろんな贈り物を彼女からもらったのではないでしょうか。もちろん私も。とても癒されて,世界中の人々が幸せでありますようにと,心から願いました。
ありがとう。
世界から,零れ落ちそうな夜だったのだ
あなたのことばに
救われた
そんな人がいるのを
時々たまに
思い出して
人生は
長いようでいて短い
だから目の前にあることをすべて楽しんでしまえばよい
乗り越えられない試練はない
なぜなら
目の前にある試練はすべて乗り越えられるものしか提示されないからだ
胃がきりきりと痛む明け方も
背中の毛がちりちりと逆立つ昼も
心の中の罵詈雑言も
心無い言葉や振る舞いに涙する夜も
無力さに肩を落とす朝も
ふと立ち止まって考えたら
すべて生のエッセンスなのだ
よいことばかりでないと思うことはいかにもたやすくて
いやまてよ
これは次へのポテンシャルになる
人生は楽しい
人生は楽しい
何もない
何も意味を持たない
言葉も
思考も
文字も
突き抜ける空の青さを
キラキラと輝く木々の緑を
鳴子を揺らす風の清しさを
素足で踏みしめる砂の冷たさを
両手ですくった水の懐かしい匂いを
小さな箱庭で開いた花びらを
じりじりと肌を灼く日差しを
ああ
生きていることに感謝する
こんな雑踏の中で
個である前に人である前に
まだ私は深くすべてにつながっている
やがて燃え尽きてしまうのだから
そしていつか土に還るのだとしたら
日々一瞬一瞬触れるすべての感動を
触れた瞬間喪われ始めるのを知っているけれど
わがままにもすべて感じ取り切り取り手に入れ咀嚼し示そうともがかずにはおれない
でも私は愚かでちっぽけだから
この愛を表現する手立ては
何もない
大きな砂山を
ふもとからただ両の手で掘っているような気分になる
砂山の中には
ガラスの欠片が埋もれていたり
なくしたと思っていた時計が隠れていたりする
ガラスの欠片でざっくりと怪我をしたのに気がつかず
時計を見つけて引きずり出して初めて血が流れていることを知って
傷口を眺めていたら痛み出した
痛くて手を休めている間に
さらさらさらさら砂山は大きくなって
まるで心臓が怪我をした手にあるかのようにどきどきと波打って
どうにもこうにもやりきれなくなった
足を投げ出してぺたりと座り込んで
歌を歌った
途切れ途切れ
喉は枯れて
音程も悪く
リズムも今いち
それでも歌い続けていたら
砂山のことも
ガラスの欠片のことも
時計のことも
怪我のことも
時計を見つけた喜びのことも
みんな遠くに消え去った
ああ,なんでもいい
思った刹那
ガラスの欠片を埋めたのも
時計を隠したのも
砂山を大きく育てたのも
きっとあたしなんだなと気がついた
いつか砂山は姿をかえて平らになり
時計は大事に磨かれてピカピカに動き出し
痛みは去って傷跡がうっすらと残るだけだろう
そう思えた夜
救われた夜
音に感謝
ずっと
ずっと
生きている意味を探していた
なんてちっぽけで
なんてくだらなくて
それでも生きることをやめなかったことに
きっと何か理由があると思っている
とてつもなく悲しくて
やりきれないほど寂しくて
逢えなくなることのえぐるような切なさをかみ締めて
それでもなお今ここにいることを
気がついたら齢ばかり重ねている
それを大人と呼ぶのだろうか
昔にくらべて
頭の回転は遅くなり
気持ちに柔軟性がなくなって
ノリと勢いが落ちた
自分と自分がこうであろうというイメージとの差が大きくなった
そして
私が生きているということを素直に認めつつある
きっと気がついたら
やりたいことが山積のまま人生は短いなんて憂うのだろう
今朝またひとつ花が咲いた
その花弁の美しさにしばらく呆然と見とれていた
生きているとは
こういうことなのかもしれない
そんなところがあるとしたら
あなたはきっとそこにいる
木枯らしが吹く季節になって
寒さに襟元を寄せる朝が多くなる
多くの困難や
多くの理不尽さや
多くの憤りや
そんなものをやり過ごして
見上げれば
あまりに美しい星空
月日が流れ
あなたがいないことにも随分なれた
ほっといてほしいときは
人ごみを歩く
誰もあたしのことなど気にせず
すごい速さで周りが動いていく
涙が出そうになったら
シャワーを浴びる
お湯にまみれて
涙もまぎれるだろう
なんども
やり場のない憤りを枕にぶつけ
逢いたい逢いたいとこぶしを握り締め
眠られずに夜が明けた
この,抉るような哀しみの
いつか解決されることがあるのだろうか
唯一の救いは
私という個体にも
いつか終わりが来るということ
愛が落ちている
擦り切れて
踏まれて
ぼろぼろで
まるでひどく汚れたところを拭いた後の雑巾みたい
誰も気がつかずに
自転車やバイクもその上を通る
歩道から誰かはタバコの吸殻を投げつけたりして
犬も寄らない
しばらく前まで
やっぱりあたしもそれが愛だと気がつかなくて
それでもずっとそこにあるから
あの汚れた塊は何なんだろうと思っていた
あるとき
ちょうどその塊の対岸で信号待ちをしていて
ヘッドホンから大音量で流れ出す音にあわせて歌っていたら
気がついてしまった
あ,あれは,あたしが落とした愛だ
目の前をトラックや車がごうごうと行き過ぎる
信号はまだ変わらない
右を見て
左を見て
右を見て
向こう側に渡るチャンスを探っていた
あたしのすぐ脇を
車が大きなクラクションを鳴らしながら通り過ぎる
ようやくのこと
ずいぶん長い信号が青になったから
急いで対岸に走っていった
愛は,もう,そこになかった
道端に
ずいぶん長いこと
愛が落ちていた
擦り切れて
ぼろぼろで
ぐちゃぐちゃで
どろどろで
きっと車のタイヤに轢かれて
踏みつけた靴底のガムみたいに
しがみついてくっついていったんだろう
あたしがずいぶん前に落とした愛は
きっとあたしを呼んでいた
だけどあたしが気づいたときには
愛想を付かしてどこかへ消えた
音が落ちてくる
街に
道に
木々に
海に
あたしに
あなたに
まるで何かが始まるように
ふわりと落ちてきて
深く深くしみこんで
あたしは
愛を見つける
悦びにも満ちていて
哀しみにも満ちていて
きらきらしたり
色褪せたり
それでも絶え間なく
音は落ちてきて
心を満たす
ああ,あの日あたしが出逢った音は
ほんの始まりに過ぎなかったけれど
ずっとあたしの中に響き続けている
きっとそういうことだ
ここにも
あそこにも
音が落ちてくる
拾い集めて両手いっぱい
抱えきれなくなったら
ただ一つ
歌を歌えばいいんだよ
悦びにも満ちていて
哀しみにも満ちていて
きらきらしたり
色褪せたり
そんな歌を
歌えばいいんだよ
私は,私であり続ける。
いい人間になりたいと努力しているけれど
努力が足りない,心して生きなさい,と誰かが言っている
決して今までの私を消し去ろうとしているわけではなく
なぜならそれは空しい努力だし
これまでの私も,私であるからだ。
つまり,これまでの反省の上に今とこれからが成り立つのだと理解する
心して生きよう
この世に生を受けた意味があることを
わかってしまった今では。
喪われ行くものを
喪われつつあることを感じながら
ただ黙って見送る作業というのは
実に
苦しくて苦しくて
切ない
I'll be seeing youなどと
歌ってみたところで
何の解決にもなりはしない
あたしは
そう,あたしはとても無力だ
まるで砂をすくうかのように
命が
記憶が
形あるものが
指の間から滑り落ちていく
手のひらに残るのは
おそらくは形の無い深い愛
誰かが微笑みをくれる
誰かは心の底からあたしを憎む
誰に対しても
愛を注ぐことは到底かなわずに
傷つけたり
傷つけられたり
愛されたり
愛したり
あたしは一体
何をしたいのだろう
あたしの心は実に狭くて
それゆえに
すべては喪われていくのだろうか?
笑って,と誰かが言うけれど
心の底から笑える日など
しばらくはありそうにない
張り付いたような笑顔と
いつも背中合わせの泣き出しそうな心
昨日の夜から頭痛を引きずって
一日中うつらうつらと浅い眠りに身を任せ
あれこれと夢を見た気がする
誰かが何か歌を歌っていた
それだけ覚えている
乗り越えられない試練は目の前に提示されないのだろうけれど
今回目の前にある厄介な代物を眺めているうちに
一体自分が何を目指しているのかがよくわからなくなった
苦しくて涙が出る
迷ったら,初心に帰ればいい
幼いころに聴いた歌声をかけてみる
目を閉じて深く息を吸う
音が声が歌が
私の中に深く深く沁み込んでいく
解放されて涙が出る
あの日彼女はあたしに告げた
「回り道をしていると思っていても,その間に得るものは沢山あるのよ」
そうかもしれない
今目の前にある試練は
今のあたしにはまったく意味が無い回り道だと思うけれど
苦しいと思うのはおそらく
あたしの直観のどこかがやるべきだと告げているからで
だいじょうぶ
まだ,やれる
あたしはあたしが目指す何かを
いつか見つけるだろう
おそらくそう遠くは無い日に
このからだは
全てにつながっていて
このからだは
いつか自然の一部へと融けて還る
私の足は
足の裏の大地へと脈々とつながっていて
のぞめば広大な愛情をそこからからだという器に注ぎ込むことも出来る
私の手は
くうにただあるのではなくて
空へ大気へと脈々とつながっていて
のぞめば膨大な情熱をそこからからだという器に注ぎ込むことも出来る
私はそうやって沢山沢山注ぎ込んだ愛情や情熱を
やっぱりからだという器から大地へ空へと送り出す
自然と
地球と
宇宙と
もとい認識しうる全ての周囲と轟々とつながっていて
全てのものは私の中にあり
全てのものは私の外にある
私は融けて還る
あなたも融けて還る
喪われる肉体の行方は
大地であり
空であり
自然であり
地球であり
宇宙であり
認識しうる全ての周囲であり
そして私であり
あなたである
永訣の日は必ずやって来るだろうけれど
それは再会の約束でもある
融けて還り
全てとつながってより強い絆となる
いつのひか
またあなたと出会う日があるだろうか
晴れた日の昼下がり
電車に揺られてふとそう思う
公園近くを通り過ぎ
ホームへすべりこむと
はらはら
はらはらと
白い花弁が舞っていく
どうしてヒトは
優しさだけでは生きられないのだろう
憎しみあったり
傷つけあったり
いがみ合ったり
損なう感情よりも
何かを生み出す慈しみと愛情は
今朝目にした草花の芽に似て
思い出は
時間とともに厚みを増して
悲しみの涙を拭い去るかもしれない
誰かを想って
涙する夜は
長く切なく
それが愛情の涙であれば
まだ救いがある
何が大切か
見極めるチカラが欲しい
もっと単純で
もっと直観的で
もっとすばやくて
もっとダイレクトで
そんなことを言っても
つまるところは
愛だと知っているけれど
随分と
あなたに逢いに行っていない
毎年きらきらと桜の花になるあなたは
ここにあり
彼の地にあり
雨が降る
しとしとと
冷たい雨が降る
どうせならスコールのように
わくわくした雨であればいいのに
温かみもなく
さすような雫は
どうも気を滅入らす
こんな日は
ろくなことを考えないし
ろくなことが起こらない
あなたに逢いたい
否,逢いたくない
こんな寒さの中では
黙って暖めてくれるぬくもりが欲しい
さて
偽りのぬくもりと
真実の苦言
こんな雨の日に
染み入るのはどちらも同じ
どうせなら真実のぬくもりを選びたいところだが
なかなかどうしてうまい具合に出来ている
雨空を嘆いてみる
この寒さから閉じこもってみる
ねぇ,ヒトを優しい気持ちにさせるのは
そんな手段じゃ駄目なんだよ
追いやられた太陽が
そうつぶやいた