AUTHOR: Mat TITLE: ライスボウル雑感 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: 日本のアメフト CATEGORY: 日本のアメフト DATE: 01/10/2005 09:02:22 PM ----- BODY: 1.ライスボウルの名前の由来 アメリカンフットボール(以下、フットボール)では、ビッグゲームには「○○ボウル」という名称が付されることが多いです。 「ボウル」と名付けるのはフットボールスタジアムの形状がボウル(お椀)に似ていることに由来し、その土地の特産品などが○○の部分によく付されます。 米国では、オレンジの産地であるフロリダで開催されるオレンジボウル、プロのリーグであるNFLの全米一を決めるスーパーボウルなどが有名です。 ライスボウルは日本の主食が米であることから名付けられたとのことで、学生の優勝チームと社会人の優勝チームが対戦して日本一を決める試合です。 2.試合の大まかな流れ 諸般の事情によって試合をじっくり観戦することができなかったので、観戦記のような時系列での試合の流れの説明は割愛させて頂きます。 新聞、雑誌などのプレビューに、「攻撃の立命館大学」 vs 「守備の松下電工」の対決と書かれていましたが、「守備の松下電工」が圧倒した試合となりました。 立命館は1つのタッチダウンを挙げたものの、それはキックオフリターンでのものであり、攻撃チームが挙げたものではありません。 しかも、前半終了時の立命館の攻撃の獲得距離は15ヤードほどだったと思います。 筆者は15年以上に渡り、TV観戦を含めれば年間60試合以上見ていますが、前半終了時に一方のチームが獲得した距離が15ヤードというのはトップチーム同士の試合では初めて見ました。 3.試合の感想1(戦術面) 松下電工の守備は、社会人リーグで開幕から4試合連続して対戦チームに1点も許さず、ポストシーズンゲームも守備力で勝ち上がってきただけあって、強力な(強力過ぎる)守備でした。 ただ、松下電工の守備の前に立命館の攻撃は本当に打つ手が全くなかったかというと、そうではなかったように感じます。 フットボールにも、柔道の「柔よく剛を制す」のように、弱者が強者をうまくいなしながら攻略する方法があるからです。 たとえば、相手のパワーが強いのであれば、パワー勝負を避けてスピードで勝負することもできますし、手が付けられないほど強くて、なおかつスピードのある選手がいたとしても、その選手とは関係ない場所を攻めることもできます。 読者の皆さんがなさっている仕事においても、他社とはちょっと異なる種類の自社の強みを前面に押し出したりすることによって競争に打ち勝つ場面があると思いますが、それと似ています。 4.試合の感想2(精神面) 筆者は試合開始時刻の1時間ちょっと前に入場し、試合前の選手の表情を見ていました。 その時に筆者は立命館の選手の表情に漂う満足感(達成感)を感じ取りました。 立命館は関西学生リーグのプレーオフでの関西学院との死闘を制し、その後の甲子園ボウル(東西大学王座決定戦)では法政に中盤まで苦戦しながらも逆転勝ちしてライスボウルに出場したからかもしれません。 しかし、満足感や達成感を抱き、そして目標を失ってしまったチームが勝つことは非常に難しいです。 理由は色々とあるのかもしれませんが、「何としても勝ちたい」という気持ちの欠如が、極限状態でのパフォーマンスを低下させるのだと推測しています。 5.目標達成後の動機づけ 上述したように、チームが目標を達成した時、そのチームのメンバーが「目標を達成したからもういいよ」と考えてしまうことがあります。 もちろん、コーチはそれを戒め、「より上を目指そう」と、向上心を持って次の試合に臨むように選手を指導します。 それは皆さんがなさっている仕事でも同様だと思います。たとえば、経常利益が上期の目標を達成したからといって、それで満足する経営者や管理職はいないでしょうから、より上を目指すように部下を叱咤激励するのではないでしょうか? ただ、スポーツの世界の難しいところは、たいていの場合、次の試合が1週間や2週間後に控えていて、雰囲気を立て直すための十分な時間がないところです。 「喜びを爆発させたチームからは幸運の女神が逃げる」という言葉をW杯サッカーを見ていて聞いたことがあり、他のスポーツにも共通していることなのかもしれません。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: コーチクリニック1 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: コーチング CATEGORY: コーチング DATE: 01/23/2005 09:39:00 PM ----- BODY: 1.はじめに  先日、NFL JAPAN主催のフットボールコーチクリニックに参加してきました。NFL JAPANとは、米国のプロフットボールリーグであるNFL(National Football League)の日本支社のようなもので、日本における普及活動、ファンの開拓などを行っている組織です。  参加者は150人くらいで、東日本各地から高校、大学、社会人のフットボール部のコーチが参加していました。西日本のコーチを対象としたクリニックは昨年末に関西で行われていたようです。  日本で開催されるのは今年度が初めてのようですが、米国では数年前から中学や高校のコーチを対象として行われ、好評を博しているクリニックです。日本協会の方針の一つに「指導者の育成」というのがあるそうで、その一環として今回のクリニックが実施されたのでは、と思っています。  講師は、ニューヨーク州の某高校のベテランヘッドコーチ、NFLヨーロッパのコーチの2人でした。NFLヨーロッパとは、MLBのように米国内にマイナーリーグを持たないNFLにとってのマイナーリーグ的な存在のリーグで、5~10人程度の日本人選手がプレーしています。 2.内容  「コーチクリニック」と聞くと、通常は、練習方法の紹介や戦術の講義を想像される方が多いと思われますが、今回のクリニックは全く異なり、コーチとしての心構え、コーチ哲学、選手との接し方についての講義がメインでした。というのも、フットボールチームの人数は、大きなチームになると選手だけで100人を越えることもあり、コーチには組織マネジメントが求められるからです。  クリニックでは、フットボールに対して選手以上に情熱的であること、選手に対して平等に接すること、選手と対話をすること、上記したようなことは選手に伝わっていなければ意味がない、など当然に思えることですが、実行することは簡単ではないようなことが強調されました。  特に、チームが勝った時には、試合で活躍したスター選手ではなく、試合に出場する機会はないがレギュラーの練習台になっている選手達(サッカーであえばサブ組)を全員の前に呼んで、「彼らが練習を支えたから勝ったんだ」とチーム全体に知らしめるそうなのですが、こういったことは簡単なようにみえるが、なかなか出来ないことなのだろうなと筆者は感じています。  アメリカのフットボールコーチが、大学を卒業した後に、改めて教育学や心理学などの学位を取得することが多いのも頷けます。 3.感想  今回のコーチクリニックは、フットボールコーチを対象としたものでしたが、もし、他のスポーツのコーチが受講したとしても有益な時間を過ごすことが出来たでしょう。  もっと言うと、スポーツのコーチはしていないが、組織を運営する人、部下を持っている人等にとっても、役に立つクリニックであるように感じます。  これを読んでいる皆さんの中にも、会社を経営している方や、多くの部下を抱える管理職の方がいらっしゃると思いますが、フットボールチームにおけるコーチと選手との関係を、会社における上司と部下との関係に置き換えて考えてみると面白いかもしれません。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: スーパーボウルについて STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: NFLとアメリカ CATEGORY: NFLとアメリカ DATE: 02/05/2005 11:59:28 AM ----- BODY: 今度の日曜日(日本時間では月曜朝)に、フロリダ州ジャクソンビルでスーパーボウル(SUPER BOWL)が開催されます。 スーパーボウルとは、NFLの優勝決定戦のことで、MLBのワールドシリーズ、NBAファイナル、プロ野球の日本シリーズに相当する試合ですが、ワールドシリーズ、NBAファイナルや日本シリーズは7試合4戦先勝方式で行われるのに対し、スーパーボウルはたった1試合で年間チャンピオンが決まります。 そのため、注目度は非常に高く、全米のTV視聴率は40%程度にも達します。 また、チケットの入手も非常に困難で、出場する選手でさえ家族用のチケットを確保できないこともあるそうです。 もう10年以上前の話になりますが、指名手配中の人に対して、警察が「スーパーボウルのチケットが当選したので取りに来て下さい」とTVや新聞で偽の情報を流し、誘き寄せて逮捕したというニュースを見たことがあります。 人目につかないように警察から逃げている指名手配犯ですらスーパーボウルを見に行きたいと思うことからもアメリカでのフットボール人気が窺えます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: スーパーボウル STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: NFLとアメリカ CATEGORY: NFLとアメリカ DATE: 02/20/2005 01:15:42 AM ----- BODY:  AFC(※1)優勝のNew England Patriots(※2)とNFC優勝(※1)のPhiladelphia Eaglesの対戦となった今年のスーパーボウルは、4Q終盤までもつれた末、New Englandの勝利に終わりました。  Philadelphiaは昨年まで3年連続してNFC決勝で敗戦し、スーパーボウルに手が届かなかっただけに、今年ようやくNFC決勝を制し、「念願の」スーパーボウルに出場したことで疲れ果ててしまったのかもしれません。  10点ビハインドで迎えた4Q残り6分程度からの攻撃シリーズ(※3)をTD(※4)に結びつけて3点差まで迫ったものの、このシリーズで時間を消費してしまい、次の攻撃シリーズでPhiladelphiaに残された時間はわずか15秒しかありませんでした。この3点差に迫ったシリーズで、もっと急いで攻撃していれば、最後の攻撃シリーズでの残り時間が1分半程度となり、同点を狙うFG(※5)を蹴ることができる範囲までボールを進めることが出来たかもしれません。 ※ 1:NFLは全32チームで構成されており、American Football Conference(AFC)、National Football Conference(NFC)各16チームに分けられています。日本のプロ野球のセ・リーグ、パ・リーグのようなイメージでしょうか。 ※ 2:New Englandは、PhiladelphiaやChicagoのような都市名ではなく、ボストンなどが含まれるNew England地方がホームタウンであるという意味です。 ※ 3:フットボールでは、4回の攻撃で10ヤード(約9.1メートル)前進すると更に4回の攻撃権が与えられます。そしてそれを繰り返して、最終的にエンドゾーンと言われるゴールにボールを運び、Touchdown(TD)を挙げることを目指します。もちろん、全ての攻撃がTDに結びつくわけではなく、パントというキックを蹴って攻撃権を放棄するなどによって攻撃が終了することもあります。この一連の攻撃のことを攻撃シリーズと称します。 ※ 4:TDを挙げると6点を獲得でき、さらにエンドゾーンまで3ヤード(NFLでは2ヤード)の地点から1回の攻撃権が与えられ、キックを蹴ってボールがゴールポストを通過すれば1点、通常の攻撃でエンドゾーンにボールを持ち込めば2点を追加することができます。つまり、フットボールでは1度の攻撃シリーズで最大8点を獲得することができます。 ※ 5:FGとは、Field Goalのことで、上述の攻撃シリーズにおいて、キックを蹴ってエンドラインの中央部付近に設置されているゴールポストをボールが通過すれば3点を獲得できます。ラグビーのペナルティーゴール(PG)やドロップゴール(DG)に似ています。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: プロボウル STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: NFLとアメリカ CATEGORY: NFLとアメリカ DATE: 03/06/2005 12:44:57 AM ----- BODY:  随分前のことになりますが、2/13(日本時間の2/14)、ハワイでプロボウル(PRO BOWL)が開催されました。プロボウルとは、NFLのオールスターゲームのことで、毎年、スーパーボウルの翌週にハワイのアロハスタジアムで開催されています。MLB、NBA、日本のプロ野球のオールスター戦はシーズン途中に開催されますが、NFLのプロボウルはシーズンを締めくくる試合として開催されています。  このプロボウル、いまでこそファン投票が行われているようですが、NFL選手による、自チームの選手以外への投票のみで出場選手が選出されていた時代もありました。これも、MLBなどと大きく違うところです。  フットボールというスポーツはコンタクトの激しさだけではなく、戦術を練ること、そして選手に戦術を徹底することも重要なのですが、選手が集合してから4~5日程度で試合をするオールスター戦では戦術を洗練すること、そして選手に戦術を徹底することは非常に難しいといえます。そのため、攻撃ユニット、守備ユニットともに戦術をシンプルにするために、攻守ともに用いることができるフォーメーションが限定されるなど、プロボウル独特のルールがいくつか設けられています。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: コーチクリニック2 Part1 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: コーチング CATEGORY: コーチング DATE: 04/14/2005 11:25:14 PM ----- BODY:  ちょっと前のことになりますが、2月下旬にある団体が主催したコーチクリニックに参加してきました。  このクリニックの講師の中心は米国の某大学のコーチ陣5名だったのですが、その大学は全米ランキングのトップ25に入るくらいの強豪校です。なぜ、その大学と日本との間に繋がりがあるかというと、その大学のOBで、全米年間最優秀コーチ(Coach of the Year)に選出されたことのあるコーチが約10年間、日本の某チームでヘッドコーチを務めていたからです。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: コーチクリニック2 Part2 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: コーチング CATEGORY: コーチング DATE: 04/15/2005 10:41:02 PM ----- BODY:  講師のなかに大学ではフットボールをしていなかったコーチがいました。これは米国のフットボールコーチの世界では決して珍しいことではなく、名門大学のヘッドコーチが大学フットボールの未経験者であるということもあります。  そのコーチは、「未経験ゆえの辛さはある。ただ、それをカバーすることは努力次第で可能だ」と話していました。選手として大舞台を経験したコーチであれば、自らの体験を選手に話すこともできるでしょうし、また、年齢が若ければ自ら手本を示すこともできるでしょう。一方、未経験であれば、そういったことはできません。それが未経験ゆえの辛さなのかもしれません。しかし、選手としてプレーすることと、コーチとして選手を教えることとは全く別の仕事であると考えれば、選手としての実績の有無とコーチとしての適・不適とが必ずしも一致するとはいえないように感じます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: コーチクリニック2 Part3 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 DATE: 04/16/2005 06:25:55 PM ----- BODY:  アメリカの大学のフットボールコーチ、特に強い大学のコーチはコーチ業で収入を得て生活している、いわばプロです。つまり、大学でフットボールをプレイした経験のない人がコーチとして選手にフットボールを教えることで収入を得て、生活しているのです。  日本のスポーツ界に置き換えて考えてみると、プロ野球経験のない人がプロ野球のコーチをする(※1)、大相撲に入門したことのない人が親方(※2)になるようなものでしょうから、多くの日本人にとっては違和感を覚えることかもしれません。しかし、米国におけるフットボールコーチだけでなく、欧州のサッカーのコーチの中にもプロ選手等としての経験を持たないコーチは珍しくありません。  そのためか、日本では選手としての実績がないという理由でトップチームの指導者としての道を「実質的に」閉ざされているサッカーのコーチが欧州に渡り、欧州のチームで指導者としての実績を挙げることで、日本のサッカー界にコーチとしての実力を認めさせようとするケースがあると聞いたことがあります。 ※1 トレーニングコーチとしてはプロ野球選手としての経験を持たないコーチがいますが、野球の技術を指導するコーチはいないか、いたとしても非常に少ないでしょう(プロ野球未経験者がコーチになれないという規則はなかったと思います)。 ※2 大相撲の親方になるためには、幕内在位1場所以上もしくは十両在位25場所以上が必要条件となっています(その他に親方株の取得なども必要条件です)。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: コーチクリニック2 Part4 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: コーチング CATEGORY: コーチング DATE: 04/18/2005 09:00:19 PM ----- BODY:  参考までに日本のサッカーコーチの話をします。  近年、日本のサッカーでは「指導者ライセンス」の制度を設け、最上位のライセンスである「公認S級」を取得しない限り、Jリーグの監督に就任することができなくなっています(ただし、外国人コーチに対しては適用外)。  この指導者ライセンスは、座学や実技などの講習を受けることによって、地域スポーツ指導員C級、公認C級、公認B級、公認S級の順にステップアップしていくのですが、上のカテゴリーのライセンスを取得するための講習の受講可能人数に限りがあるため、講習を受けるまで長期間待たされてしまうなどによって、公認S級ライセンス取得までに非常に長い年数を要することもあるようです。  その一方、かつての名選手には特例があり、「日本代表国際Aマッチに20試合以上出場しており、公認C級コーチでかつ公認C級コーチライセンス取得後1年以上指導実績を有する者に関しては、特別 に公認S級コーチへの受講資格が与えられる」という優遇措置があり、公認B級のライセンスを取得することなく、飛び級するがごとく公認S級ライセンス取得にチャレンジできるのです。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: コーチクリニック2 Part5 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: コーチング CATEGORY: コーチング DATE: 04/19/2005 12:48:21 AM ----- BODY:  日本人はどうして、かつての名選手を指導者としてありがたがるのかを考えてみました。「名選手名監督に非ず」という言葉もあるのに、と不思議に思ったからです。  しかし、日本の企業におけるいわゆる「出世街道」に例えることによって理解することができました。日本の企業では、たとえば、技術者として凄い腕を持った従業員が、その功績を認められて出世し、経営のことをほとんど知らないのに経営陣に加わるというケースがよくありますよね。  最近でこそ、「経営は経営のプロに任せる」という流れになってきてはいますが、それでも過去の日本企業においてはサラリーマン人生のゴールが社長でしたし、いまでも多くの日本企業はそうなのではないでしょうか(その善し悪しは別として)?  こう考えると、少々乱暴な考えではありますが、選手として有名であること(従業員として会社で功績を挙げること)によって、コーチになることができる(社長になれる)という思考回路を日本人は持っているのかもしれません(これも、その善し悪しは別として、です)。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: ルール変遷の本 Part1 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/20/2005 12:10:58 AM ----- BODY:  最近、フットボール誕生(19世紀後半)から現在までのルールの変遷を書いた本を読んでいます。著者は、米国の某大学のフットボール部のヘッドコーチを15年間、NCAA(全米大学体育協会)のフットボールルール委員会(NCAA Football Rules Committee)の委員を長年務めていた人です。B5判600ページの英語で書かれた本で、ルールが改正されるに至った理由と改正点が年毎の時系列で書かれており、なかなか読みごたえがある本です。  フットボールのルールは改正されない年がないといってよいほど毎年改正されており、それは現在に至るまで続いています。これほどルールが改正されるスポーツは、フットボールの他にはラグビーぐらいなのではないでしょうか?  また、NCAAのルールとNFLのルールとでは若干の違いがあります。日本ではNCAAのルールが採用されており、国際試合でもNCAAのルールが採用されています。バスケットボールにおいて、五輪などで採用されている国際ルールとNBAのルールとでは若干の違いがあるのと似ています。  余談になりますが、フットボールの世界選手権(W杯)が1999年(イタリア大会)、2003年(ドイツ大会)と2度開催されており、次回は2007年に開催される予定です(開催地未定)。過去2度の大会では、アメリカ、カナダという2つの強国が出場していなかったとはいえ、日本が2連覇を果たしています。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: ルールの変遷 Part2 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/21/2005 12:33:28 AM ----- BODY:  フットボールのルール改正は、「より安全に」という観点からされることがあります。たとえば、フットボールという競技の大きな特徴の1つである前方へのパス(forward pass)は初期のルールでは認められていませんでした。草創期のフットボールはラグビーに似た競技だったのです。  しかしながら、草創期のフットボールは、今とは比較にならないほど衝突が激しく粗野な競技であったため、死者や重大な怪我人が多数出ていました。そのため、1905年、当時のセオドア・ルーズベルト大統領から禁止指令が出されたほどなのです。  そこで、少しでも激突機会を軽減し、負傷する可能性を低減するために前方へのパスを導入しました。前方へのパスが導入されたことにより、守備側は自分たちの背後のエリアを意識せざるを得なくなり、そのために守備側の選手の数、そして各選手の意識が散らばるようになったのです。  また、狭いスペースに多くの選手が集中することによる怪我の発生を避けるために、攻撃側はプレイ開始時にボールが置かれている位置と平行なライン(スクリメージライン)上に少なくとも6人(現在は7人)の選手を配置しなければいけないとの規定が作られました。それ以前のルールでは攻撃側の人員配置が自由であったため、攻撃したい位置に人数を集中することができ、それに対応するために守備側もその位置に人数を集中しており、結果、攻守ともに狭いスペースに多くの選手が集中していたのです。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: ルールの変遷 Part3 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/22/2005 12:34:27 AM ----- BODY:  また、「より面白く」という観点からルールが改正されることも多く、この傾向はNFLのルール改正において、より顕著にあらわれています。  密集の中で行われるラン攻撃よりも空中戦であるパス攻撃の方が見た目が華やかで、かつ、わかりやすく、また得点シーンも多く生まれるため、スタジアムの観客やテレビ観戦者に喜ばれる傾向にあります。したがって、興行性を重視するNFLでは、NCAAと比較して、パス攻撃を奨励するルールとなっているのです。  たとえば、パスが投げられるまでは、守備側の選手は、パスをレシーブしようとする攻撃側の選手にコンタクト(体当たり)するなどして邪魔(Jam)することができます。Jamに関して、NCAAのルールでは基本的には相手選手を掴まなければ反則とはならない一方、NFLのルールでは、Jamはプレー開始時にボールが置かれていた地点と平行なライン(スクリメージライン)から5ヤード以内、かつ、コンタクトできる回数が1回に制限されているのです(違反するとIllegal Contactという反則が守備側に課されます)。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: ルールの変遷 Part4 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/23/2005 09:42:06 PM ----- BODY:  フットボールの特徴として選手交替の自由度の高さがあります。フットボールにおいては、インプレー中でない限り、自由に、そして何度も選手を交替することができます。また、いったん退いた選手も制限なく再びプレーすることが認められています。そのため、人数の少ないチームを除いて、攻撃を担当する選手と守備を担当する選手とをそれぞれ設けるターンオーバー制が敷かれているのです。  いまでは当たり前のように行われている自由な選手交替ですが、1940年までは制限付きで認められているにすぎませんでした。なぜ自由になったのでしょうか?それは第二次世界大戦の勃発により、各大学の選手の中にも戦地へ赴く者が増え、選手数が減ってしまったからです。つまり、従来のルールのように、いったん退いた選手の交替を制限していては試合の終盤にはフィールドに立つことのできる選手がいなくなり、試合の体をなさなくなってしまうからです。  選手交替の自由度がフットボール以上に高い球技として、ハンドボール、アイスホッケーが挙げられます。これらはインプレー中にも選手交替が認められます。また、バスケットボールは選手交替の度に審判へ申告を行うという条件付きで何度も選手交替できます。バレーボールはバスケットボールとほぼ同様ですが、1セット毎に交替できる回数の上限が定められています。  野球は審判に申告することで自由に選手交替できますが、いったん退いた選手が再びプレーすることはできません。ここが、バスケットボールとの大きな違いです。  選手交替が厳しく制限されているのは、サッカーとラグビーでしょう。ラグビーでは、最近でこそ戦術的交替という自由な選手交替(ただし、最大で5人(?)まで)が認められるようになりましたが、ちょっと前までは傷病等以外の理由では選手交替することができませんでした。サッカーでは、最大3人までしか選手交替することができません。また、サッカー、ラグビーともに、いったん退いた選手が再びプレーすることはできません。  こうしてみると、イギリス生まれのスポーツでは選手交替に制限が多く、アメリカ生まれのスポーツでは選手交替の制限が緩和されているといえるのかもしれません。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 川崎球場 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: 日本のアメフト CATEGORY: 日本のアメフト DATE: 04/24/2005 10:24:10 PM ----- BODY:  昨日、川崎球場に社会人フットボールの試合を見に行きました。御存知の方も多いと思いますが、かつて川崎球場は大洋ホエールズ(現・横浜ベイスターズ)やロッテオリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)の本拠地として使われていました。1994年にロッテが千葉マリンスタジアムに本拠地を移転した後は、野球よりフットボールに用いられることが多くなりました。  しかし、2000年の春にスタンドが取り壊されてしまい、現在は1塁側と3塁側に 2mほどの高さの芝生席が設けられ、フットボールの試合の際にはそれに加えてフィールドのそばに15人ほどが座れる小さな仮設スタンドが5台設置されるのみなので、観客席とフィールドとの高度差が小さくなっています。フットボールの試合は高所から見た方がわかりやすいケースが多いです。そのため、フィールドサーフィスとして最新式の人工芝が用いられているゆえに選手の身体には優しい試合会場なのでしょうが、観客には優しくない試合会場なのではないかな、と感じてしまいました。  その川崎球場で再来年(2007年)、フットボールの世界選手権(W杯)が開催されるとの新聞記事を読みました。4000人収容の仮設スタンが増設されるとのことなので、フィールドのどの位置にどのようなスタンドが設置されるのかが今から楽しみです。もっと言うと、今年も多くの試合が川崎球場で開催されるので、早めに増設してもらえると試合を見やすくなってうれしいな、と思っています。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 反則の適用 Part1 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/25/2005 11:22:28 PM ----- BODY:  フットボールではインプレー中(ライブボール中)に反則があった場合に、審判がファウルマーカーと呼ばれる黄色い旗を反則地点に投げて反則があったことを知らせますが、その時点で笛が鳴らされてプレーが止まるわけではありません。かといって、サッカーやラグビーのように、プレーを止めない方が反則されたチームにとって有利であると「審判」が判断して流している(アドバンテージルール)わけではなく、その時点ではどちらに反則があったかを審判は示唆していません。それではいつ反則が適用されるのでしょうか?  フットボールでは、反則が発生したプレーが終了した後、反則したチームと反則の種類を審判が両チームのベンチに伝えた後、審判は反則されたチームの選手に対して、反則を適用するのか、それとも反則の適用を辞退して(declined)プレーの結果をとるのかの選択をさせます。つまり、反則を適用した方が有利か、適用せずにプレーの結果を活かした方が有利かの選択権を「審判」が有するのではなく、「反則されたチーム」が有するのです。  そのため、反則されたチームが、その反則のあったプレーでタッチダウンしたような場合には、その反則の適用を辞退して、タッチダウンとなったプレーの結果を活かすことができるのです。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 反則の適用 Part2 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/26/2005 11:04:54 PM ----- BODY:  サッカーやラグビーを見ていると、その位置で反則をとってもらった方が有利なのに、反則をとらない方が反則されたチームに有利であると審判が判断してプレーを流し(アドバンテージルール)、結果的に得点のチャンスを逸するというケースを見かけます。  私が見た中で、反則されたチームがかわいそうだと最も感じたのは20年ほど前のラグビーの試合です。それは同点で迎えた後半終了間近に起こりました。自陣ゴール前まで迫られたチームがペナルティ(重い反則)を犯したのですが、主審は、攻撃側のチャンスが継続していると判断してアドバンテージを適用してプレーを流しました。そのまま、攻撃側がトライをとれば「めでたしめでたし」だったのでしょうが、結局、トライをとることができず、引き分け→抽選となってしまい、抽選の結果、最後のチャンスを逃したチームは負けてしまった、と記憶しています。  反則地点はゴールポストの正面5メートルほどの位置でしたので、主審がアドバンテージをとらずに笛を吹いてペナルティをとっていれば、攻撃側はPG(ペナルティゴール)を成功させて3点を獲得して、野球でいうところのサヨナラ勝ちを収めることが出来た可能性が非常に高かったと思われます。負けてしまったチームはさぞかし無念だったのではないでしょうか。  フットボールではこのような「ある種の」理不尽な出来事は起こりません。反則を適用した方が有利になる場面で反則を辞退することを選択してしまうこともたまにはありますが、それはあくまでも自分たちの判断で選択した結果なので「自己責任」ということで納得がいくように思います。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 反則の適用 Part3 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/27/2005 12:37:11 AM ----- BODY:  では、ライブボール中に両チームが反則を犯した場合にはどうなるのでしょうか?たとえば、攻撃側のAチームが●という反則を犯し、守備側のBチームが▲という反則を犯した場合です。この場合には、両者の反則が相殺されて、攻撃側は同じ地点からその攻撃機会(Downとよびます)をもう一度行うことができます。つまり、両者に反則があったダウンが2nd Downであった場合には攻撃側は同じ地点から2nd Downを行うのです。  フットボールでは反則は陣地を喪失させられることで罰せられることが多いです(これを罰退とよびます)。罰退の距離には、5ヤード、10ヤード、15ヤードの3種類があり、反則の種類によってそれぞれ定められています。  では、もし2nd Downのライブボール中に、守備側のBチームが5ヤードの反則、攻撃側のAチームが10ヤードの反則を犯した場合にはどのように適用されるのでしょうか?  この場合には、それぞれの反則の罰退距離に関係なく両者の反則が対等に相殺されて、反則が発生した2nd Downの攻撃が始まった位置から2nd Downを繰り返すことができます。 ※反則による罰としては、距離罰退の他に、攻撃機会(ダウン)の喪失(Lost of Down)、相手に自動的にファーストダウンが与えられる(Automatic First Down)、粗暴な反則をした選手の退場などがあります。 ※ フットボールでは攻撃権を得たチームに、まず4回の攻撃権が与えられます。攻撃チームはこの4回の攻撃の間に10ヤード前進すると、新たに4回の攻撃権を得ることができます(First Downをとる)。なお、1回で10ヤード前進したからといって、残った3回の攻撃権を次に持ち越せるわけではなく、次も4回の攻撃権が与えられるのです。この4回の攻撃のうち、1回目の攻撃を1st Down、2回目の攻撃を2nd Downとよびます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 反則の適用 Part4 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 04/28/2005 08:21:47 AM ----- BODY:  法律(特に民法)を勉強された方は、「罰退距離が異なるのに、反則距離を勘案せずに相殺するのはおかしい!」と思うかもしれません。たとえば、物損の交通事故の両方の車の損害金の合計額が10万円として、A車の過失が20%、B車の過失が80%であれば、A車の運転手が2万円、B車の運転手が8万円支払って過失を相殺しますよね。でも、フットボールでは違うのです。  私もフットボールを始めた頃は「そんなのあり?」と思いましたが、そのうち「それが当然」と思うようになりました。というのも、守備側が5ヤードの反則を犯さなければ、攻撃側が10ヤードの反則を犯なかったかもしれない、と考えられるケースもあるからです。たとえば、守備側が「オフサイド」といって、プレーが始まる前にスタートして攻撃側の選手に向かっていったとします。その時点では攻撃側の選手は身構えていないわけですから、良い姿勢で守備側の選手にコンタクトすることができません。そのため、味方の選手を守ろうとして、守備側の選手を不正に掴んでしまうこともあるのです(ホールディングという反則です)。  ここで、オフサイドは5ヤードの距離罰退、ホールディングは10ヤードの距離罰退が課せられる反則なのだから、距離を相殺して攻撃側を5ヤード罰退させろと考えることが妥当なのでしょうか?それでは、守備側は罰退距離の短い反則を意図的に犯して、攻撃側に罰退距離の長い反則を犯させるというアンフェアな行為を奨励することになりかねません。もちろん、インプレー中に発生する全ての攻撃側の反則と守備側の反則との間に、上記のような因果関係があるとは言えません。全く関係のないケースの方が多いのかもしれません。しかし、アンフェアな行為を奨励しないようにする必要があるゆえ、このような反則相殺規定になっていると推測しています(理由付けはあくまで推論です)。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 引き分け Part1 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 05/09/2005 12:53:02 AM ----- BODY:  球技には引き分けという制度がある競技とない競技とがあります。バレーボール、バドミントン、卓球、テニスなどのように複数セットの過半数のセットを取得することが勝利条件となっている球技には引き分けがありません。一方、野球、サッカー、フットボールなどは、競技団体の違いや大会形式の違い(リーグ戦orトーナメント戦など)によっては引き分けが存在します。  アメリカで行われるフットボールでは、NFL、NCAAともに基本的には引き分けは採用されておらず、同点で第4Qを終了した場合には延長戦を行いますが、延長戦のシステムはNFLとNCAAで異なっています。  フットボールの世界では昔から「引き分け=つまらない終わりかた」とされており、かつて引き分けが採用されていた頃のNCAAの試合では、たとえば、7点差で負けているチームが試合終了間際にタッチダウンで6点を獲得した後、TFP※(トライフォーポイント)の際に、2点を入れることを狙わずに、キックで1点を狙うような行為は「妹とキスするようなものだ」とたとえられていました。 ※TFPはタッチダウンの後に引き続き与えられる攻撃機会で、敵陣3ヤード(NFLでは2ヤード)から1回の攻撃権が与えられ、キックを決めれば1点、パスやランでエンドゾーンに持ち込めば2点を獲得できます。また、守備チームがキックをブロックしたり、パスをインターセプトしたボールを攻撃側の自陣のエンドゾーンに持ち込めば守備側に2点が与えられます。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 引き分け Part2 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 05/12/2005 09:10:35 PM ----- BODY:  NFLの延長戦(オーバータイム)のルールではタッチダウン、フィールドゴール、セーフティ-などどのような形であれ、先に得点を挙げたチームが勝利チームとなります。つまり、延長戦開始前にコイントスによって最初に攻撃権を得るチームを決め、通常の試合時間帯のように攻撃を続けたり、攻撃権を失う/放棄したりするやりとりをするなかで先に得点を挙げたチームが勝利するのです。そのため、最初に攻撃権を得たチームが相手に攻撃権を与えないまま攻撃を続け得点して勝利するというケースもよくあります。  先に得点を挙げたチームが勝利チームとなるこのシステムでは最初に攻撃権を得たチームが圧倒的に有利であり、コイントスで勝敗が決まるようなものだ、と考える方も多いかもしれません。しかし、NFLの出した統計によると、最初に攻撃権を得たチームが勝利した確率は50~55%程度だそうです。意外な気もしますが、この理由は、キックオフ後の攻撃が自陣の深い位置からスタートした場合にダウン更新できずにパントによる攻撃権の放棄に追い込まれると相手チームの攻撃が敵陣からスタートすることもあることや、常にターンオーバーによって攻撃権を奪われる可能性があるからと思われます。  もし、最初に攻撃権を得たチームの勝率が圧倒的に高くなるようであれば、すぐに延長戦のルールの改正の議論が巻き起こることでしょう。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 引き分け Part3 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 05/13/2005 09:58:21 PM ----- BODY:  一方、NCAA のルールでは野球の延長戦における10回表/裏のように両チームに平等に攻撃権が与えられ(これを延長節とよびます)、各延長節終了時に得点の多いチームが勝利となります。  このとき、両者の攻撃はともに敵陣25ヤードからスタートし、得点が入りやすい状況としています。ちょうど、ソフトボール、少年野球や中学野球の延長戦で採用されているタイブレークルール(たとえば、無死満塁から攻撃開始など)と似ています。  また、3回目の延長節からは、タッチダウン後のTFP(敵陣3ヤードからの攻撃)においてはキックによる得点を挙げることができず(キックを蹴ることは禁じられていませんが得点にはなりません)、「キック」よりも得点に至る可能性が低くなる「プレー」をさせることで早期決着を図っています。   ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 引き分け Part4 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 05/14/2005 04:24:25 PM ----- BODY:  ここまで延長戦のシステムについて書きましたが、日本では一部の試合を除いて延長戦がなく、同点で第4Qが終了した場合には引き分けとなります。  日本では各リーグによって順位決定方法が異なり、たとえば、関東の大学のリーグ戦では、勝ちを勝点3、引き分けを勝点1、負けを勝点0とし、勝点の多いチームが上位となります。また、勝点が並んだ場合には当該チームの直接対決の勝者が上位となります。では、勝点で並んだチーム同士の対戦が引き分けに終わっていた場合にはどうなるのでしょう?  この場合には、原則として抽選で順位を決めますが、もしその順位が決勝トーナメント進出のボーダーラインの場合には当該2チームによるプレーオフを行います。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 引き分け Part5 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: ルールと基本 CATEGORY: ルールと基本 DATE: 05/15/2005 12:14:17 PM ----- BODY:  いまでこそ、プレーオフを行って決勝トーナメント進出チームを決めるようになりましたが、3年ほど前までは当該試合(引き分けに終わった試合)での攻撃チームによる獲得距離の大小で上位チームを決めていました。獲得距離が大きいチームの方が当該試合を優勢に進めていたというのがその理由だったのでしょうが、これは非常に非合理的な決め方のように感じます。なぜなら、フットボールにおいては、攻撃チームが距離を獲得することだけでなく、キックによって距離を稼ぐこと、ファンブルのリカバーやパスのインターセプトによって相手ボールを奪うことも勝利への重要なファクターなのですが、「攻撃チームによる獲得距離」にはこれらが全く反映されないからです。  数年前に米国のコーチに、「日本では獲得距離の大小で最終順位を決するケースがある」と話したところ、信じられないとの答えが返ってきました。理由は上に書いたとおりで、そして「なぜ延長戦をしないんだ?」と話していました。延長戦を行えば、妹とキスするようなつまらない結末(引き分け)がなくなります。でも、いまだにリーグ戦で延長戦が導入されておらず非常に残念です(なお、決勝トーナメントではNCAAと同様のシステムの延長戦が行われています)。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: Hall of Fame Part1 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: NFLとアメリカ CATEGORY: NFLとアメリカ DATE: 05/18/2005 12:34:57 AM ----- BODY:  先日、アメリカ旅行をした際にニューヨーク州ク-パースタウンの野球殿堂博物館(Hall of Fame Museum、以下、野球殿堂)に行ってきました。なぜ、フットボール好きの筆者が野球殿堂に行ったかというと、小3から高3までの10年間はずっと野球をしていたからです。  野球の試合が最初に行われた街がク-パースタウンであるということで、野球殿堂がク-パースタウンに置かれています。この野球殿堂には、野球の始まりから競技スタイルやルールの変遷、そしてベ-ブルースやルー・ゲ-リックなど過去の名選手の資料などが展示されています。  日本人メジャーリーガー関係では、ノーヒットノーランのコ-ナーに野茂英雄投手の写真と達成時のボールが展示されています。野茂投手はナショナルリーグのLAドジャース在籍時とアメリカンリーグのボストンレッドソックス在籍時の2度、しかも違うリーグでノーヒットノーランを達成しています。そして、昨年、1シーズン最多安打記録を更新したイチロー選手のバットが、記録達成を伝える東京新聞の1面記事とともに展示されています。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- -------- AUTHOR: Mat TITLE: 殿堂 Part2 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: __default__ ALLOW PINGS: 1 PRIMARY CATEGORY: NFLとアメリカ CATEGORY: NFLとアメリカ DATE: 05/22/2005 11:12:08 PM ----- BODY:  旅行から戻ってきてからフットボールの殿堂の場所を調べてみて、NFLの殿堂が、クリーブランドから車で1時間ほどの距離にあるオハイオ州キャントン(以下、Canton, OH)にあることを知りました。  フットボールの始まりは東海岸の大学であるため、中西部にあるCanton, OHは、フットボールが最初に行われた街ではありません。  そこで、なぜ殿堂がそこに置かれているのかを調べてみたところ、Canton, OHに殿堂が置かれた3つの理由がNFLのサイトに書いてありました。 ・NFLの前身であるAmerican Professional Football Associationが、1920年9月17日にCanton, OHで創立されたこと。 ・Canton, OHには、Canton Bulldogsというプロフットボールリーグ草創期の強豪チームがあり、そのチームはNFLの第1回と第2回のチャンピオンチームであったこと。 ・NFLの殿堂が設立される際に地元が熱心に誘致したこと。  筆者はトランジット以外では中西部の街に行ったことがないのですが、もし中西部に行く機会があれば、是非NFLの殿堂を訪れてみたいと思っています。 ----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: ----- --------